2.24後の世界で 第5回 呪われたオリンピック 前編


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2022年2月24日。

この日付は未来の人たちにどう記憶されるのか。プーチンウクライナに軍事侵攻した日から、世界の景色は一変した。虚実入り交じる情報。分断に向かう世界。不安が覆う社会で私たちはどう生きれば良いのか。

 

これまでの経緯を綴っていきたい。

 

 

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11月29日、札幌市と日本オリンピック委員会(以下、JOC)は都内で会見を開き、2030年の冬季オリンピックパラリンピックの招致を断念することを発表した。同団体からは34年大会以降の誘致も絶望敵となる

会見内で「かなり招致実現のチャンスがあった」と振り返るように、一時は最有力候補ともいわれていた札幌開催。だが、JOC会長は「市民の理解が進んでいない。30年大会ありきで拙速に招致を進める事も好ましくない」と開催を断念した理由を述べた。

市民の理解が進んでいない理由として、

2018年の北海道胆振東部地震、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大、2021年の東京五輪での汚職事件や大会運営費が増大した。さらに、34年以降の招致も「かなり厳しい状況」との認識を示した。

市民理解が進んでいない”事を象徴するように、

会見後、誘致の是非を問う住民投票を要請する市民団体が署名活動の継続を発表。しかし、札幌市は34年大会の開催地候補が絞り込まれる11月末まで住民投票を行わない方針であることを表明しても批判の声が上がっている

札幌市のある北海道に住む人を対象にアンケートを実施。アンケートにて20代から70代の男女500人に「2034年以降の札幌市での冬季五輪招致に賛成か、反対か」と質問し、賛否を聞いた。

結果は、賛成が34.18% 反対が65.82%と反対派が多数となった。

反対派から最も多く寄せられたのは「オリンピック以外の事に税金を使って欲しい」という意見。

札幌には「パートナーシップ排雪制度」と称する、市と町内会が除排雪費用を分担して行う制度がある一方で今回のウクライナ危機とガザ地区の戦火の影響下の穀物の停止で燃料費や人件費の高騰で市民負担も増加している。

《オリンピックにかける金より、新型コロナウイルス過での医療従事者の支援、札幌市民の暮らしの向上、パレスティナウクライナ人道支援東日本大震災の復興支援に使う。除排雪費用も市民の負担なしにするべき》
《札幌ドームの行く末も分からないのに、税金を投入し何をするのか?冬の除雪問題の方が喫緊の課題である》
《招致をしても説明が足りない。除雪の税金がオリンピック招致に使われてしまうと怒りに覚えている》、先の東京五輪での汚職問題にて、JOCに対する不信感を示す声も多かった。

 

東京五輪の事でオリンピックに対する信頼がなくなった。経済効果より持ち出しの方が多いと思う。市税をオリンピックに使ってもらいたくない》

《対策を充分に検討しても、利権がからみ、汚職による税金の無駄使いが心配》

東京五輪のゴタゴタを見ていると、オリンピックを開催するという事に不信感を感じる、東京オリンピックで行われた不正などに今後の対策を構築してもオリンピックなどの大会を招致しても開催できない》

 

《五輪を開催すれば、たくさんの人が集まって経済活性化に繋がったり新たな人脈を作れる機会になる一方で政治家や関わる企業が汚職しなければいいだけに税金の使い道としておかしい。言い分も理解できない。新たに施設を作るのでは今ある施設を活用して開催できない》

《前提として、東京五輪汚職や疑惑が解明され、同じ事が起こった、このままでは平和や多文化、国際交流を高らかに掲げる物がなくなる事に子どもたちの信頼も失う》

 

そのようなオリンピック開催に関して山積する問題で、地元での開催を反対する声も多かった。

 

《色々な問題があるが自分が生まれ育った土地でオリンピックを生で見れない》

《世界中の人たちに日本や北海道の良さを知って欲しいと思う一方で東京オリンピックの反省も足りないままクリーンな大会になる事もできない》

 

市の抱える問題を適切に認識しつつ、東京大会で失った信頼を取り戻すような透明性のある運用方針を示さないからだ

中編へ続く